「刹那にかける恋はなび」 プレイ後感想(後半ネタバレあり)

というわけで、珍しくセールではなく予約購入でプレイした

「刹那にかける恋はなび」のプレイ後感想を書き記していきます。

勝手にあらすじ

世間的にははみ出し者、だけど誠実で一本気の主人公を
天真爛漫なプロ刃道選手のお嬢様がスカウトして、チームメイトになって頂点を目指すスポ根ストーリー

https://crystalia.amusecraft.com/kakehana/index.html

勝手に見どころ

  • わがままだけど憎めない、可愛い姫体質の朱雀院撫子!
  • ついつい頼っちゃう可愛い妹、滝川小鞠!
  • 攻略対象じゃない可愛いツンデレキャラ達!

ネタバレをあまり含まない全体の感想

KATANAシリーズの面白さを引き継いだ良作でした!

競技としての刃道、
オリガミと呼ばれる刀と天呪と呼ばれる超能力を駆使して戦うスポーツを中心としながら
主人公を含めた魅力的なキャラクターたちが、迷ったり葛藤しながらも
自分の信じるものを見つけて、最後まで戦い抜くシナリオ。

そんなKATANAシリーズの良さを引き継ぎつつも
プロ競技としての厳しさをところどころ散りばめたシナリオと
そんな事お構いなしと言わんばかりの撫子の対比がきっちりハマっていたと思います。

あとは、KATANAシリーズは結構「天呪」という設定のこともあり
化妖や呪いなどの、いわゆる和風ファンタジーな要素が結構強めにでるシナリオが多かったですが
今回はプロ競技としての刃道を描いているからか、そうしたファンタジー要素は比較的控え目だったと思います。

多分かけはなだけプレイしても天呪やオリガミに対する理解が全然追いつかない気がします。
TIPSをどれだけ熟読して、どれだけ想像力を働かせるか次第ですが。


以降ネタバレ含む感想

共通ルート前半

とにかく撫子が可愛い。

ダメ可愛い。素直なのが可愛い。

基本的にシナリオの転機が絶対に
撫子との戦闘になるような展開になっているので
共通前半の山場は明らかに撫子との初めての相がかり稽古でしょう。

稽古の時点でもう
「ああ、もう撫子と出会ったからには撫子と歩むしかないな」
と思う位には撫子に気持ちが向いていました。

……簡単に靡くほどお安いのは僕の方だったようです。

仕事出来て頼れて親しみやすいキャラクターとか
一番いい子だよね!!

だいたい今まで出てきた風嶺一族って結構変なキャラ多かったし。。。
なんか初乃は信頼できる気がします。

蛍雪もよかったけどね。

共通ルート前半のラスボスはこの方でしょう。

旭さん。

やんちゃさが抜けて、より圧が増してます。。。
ただまあ、この人以上に信頼できるキャラクターも居ないわけで。

前作プレイ済みの人は「あ、受かったわ」気分でしょう。
初見だと旭さんがどんな印象になるのか気になりますね。

圧倒的強者感!!

そしてプロ入り決定と同時にここでOPムービーで
共通ルート前半完了となります

共通ルート後半

なんだかんだ言って撫子は天使です。
僕自身がひねくれものなのもあり、撫子ちゃんの立ち位置は一馬の認識と同じく「推し」みたいなポジションに収まっていきますね。

このあたりでチーム白狼としてしばらく過ごすうちに、少しずつパルヴィが可愛く見えてきます。

個人的に、不思議ちゃん的なキャラはあんまり好きじゃないので
最初はパルヴィが全然好きになれなかったんですよね。

だけど、割とずばずばモノを言うし、
思ったよりお茶目だったりして、だんだん好きになってきました。

だいたい出てくる演武士はみんなキャラが濃い。
その中でも唯一の男ということで、記憶に残りやすいだろう
主人公のプロ初戦の相手の十兵衛です。

別に好きとか嫌いでもない普通に良いキャラだなーくらいの感覚だったんですが
年齢が二十代後半で妻帯者ということで
「え、年下なのか!!」
という個人的なショックを受けました。時の流れは残酷だ……

あと、初戦で戦ってからたびたび出てくる
普通のギャルゲーでいうところの幼馴染ポジに近いクロメちゃんですが

個人的に見た目だけで言ったら一番好きだし
微ツンデレな感じも程よいので、もっと出てきてくれー!!って感じでした。

そして、共通ルート終盤でついに選択肢も発生しますが
そこは個別ルートの感想に織り交ぜていきます。

そして、共通ルート最後の最後で投下される新キャラ。

表面だけ良い腹グロアイドルというテンプレキャラだけど
でもちゃんと強い!!

このKATANAシリーズ。
だいたい強い奴はなにかしらの信念もって戦ってるやつなので、
チャラチャラしてるように見えて、ニーナもなかなかのものを持っている模様。

そして、撫子戦。

普段のちゃらんぽらん、戦いも楽しむ撫子と
獣のように咆哮しながら戦う撫子のこのギャップ感がたまらないですね。

個別ルート①パルヴィ編

こんな選択肢卑怯すぎるだろ!!

十兵衛に毒されたのか、女の子に守られるのを良しとしない空気感だったので
僕はパルヴィを押しのけることに。。。

そしたら、後日その時の私闘が漏れて主人公は無期限出場停止に。
無念……

ということでパルヴィ編は
主人公があんまり戦いに身を置かないシナリオになるようです。

ちょっとKATANAシリーズの1作目、めく色を思い出しますね。

あとパルヴィのこういうところ好き。

パルヴィ編は割と王道の後輩育成ストーリーなので
個人的にはもっと強くて格好主人公が見たいもどかしさはありましたが

健気なパルヴィが可愛いので良しとします。

刀仕権宮司として物語序盤から存在感を出していた
いぶきとパルヴィの関係性がこのルートの山場……ではあるはずなのですが
思ったよりパルヴィ視点もいぶき視点も過去にあったことを淡々と回想するばかりで
感情の起伏が行間にしかないような印象だったので、個人的には印象薄いイメージでした。

いぶきの抱えていた葛藤はわかるんですが
キャラ性もあるからか、パルヴィの気持ちの変化が分かりづらい気がしました。

ただまあ、口が軽い奴は弱いらしいので。
思い出も感情もすべて刃に乗っけて打ち合うのが剣士なのかもしれないですね。

パルヴィは可愛くて健気だったし、
二人が恋心に気づくまでの距離感も好きでしたが

個人的にKATANAシリーズに期待していた、
主人公の葛藤と成長や、ヒロインの成長がちょっと薄く感じたルートでした。

パルヴィが強くなった理由が「主人公にしごかれたから」と「危ない力に手を出したから」の2つですからね。
ということで、パルヴィ編は比較的キャラゲー寄りのシナリオだったかなと思います。

あと、もうちょっといぶきとパルヴィが仲良くやってるシーンが欲しかったですね。

個別ルート②:撫子編

パルヴィ編に入る選択肢で泣く泣くパルヴィにすべてを任せると、
撫子との戦いの最中に新たな選択肢が出てきました。

脳裏には小鞠がちらつきつつも、
でもここまでやってこれたのは全部撫子のおかげ。

ここで全部出し切らなきゃ、剣士が廃るってもんですよ。

そして、全部出し切ると
主人公一馬は撫子に勝利して番付演武士となりました。

いいですね。まだまだお前には負けらんないぞという年長者のプライドを感じます。

そして、撫子戦の後
私闘はパルヴィに任せてしまったので、パルヴィが無期限出場停止に。

ごめんよパルヴィ。

そして、個別ルートに入ったので撫子と過ごす時間が一気に増えました。

というか先の試合で負かしちゃったので、
あらためて撫子とっての主人公の存在が大きくなって、
結果的に付きまとわれてます。

この子、表情がコロコロ変わるから可愛い。

クールビューティーの皮を被りがちな紅葉や椿
何考えてるかわからない郁子とは大違いですね。

まあ前者二人はそのクールな外面と素のギャップが良いんですが。

撫子編の一人目のキーパーソン。ニーナですね。

そりゃあ主人公強くて格好いいもんな。モテるよ。

恋も好きもわからない撫子が恋に気づくのはやっぱり嫉妬心から
というための当て馬キャラだとは思うんですが、
なんだかんだで可愛くって、刃道も強いということでずるいキャラです。

主人公の一馬と撫子は滝山と朱雀院という家のしがらみがあるので
典型的なロミジュリ構図ではありますが
周りのチームの仲間たちの理解が高すぎるので、みんな応援してくれて
意外とすんなりくっつきましたね。

そう思ったのもつかの間。
イチャイチャしつつも次第に刃道モードに入っていきます。

序盤から出てきて存在感が強かった九曜がここで撫子の成長を描くための踏み台にされたのはちょっと驚きましたね。
どう見てもラスボス顔してるじゃんこの人。

そして、撫子と共に歩むために無理をしながら勝ち進む主人公と
徐々に明らかにされていく主人公の固有天呪のリスク。

テンプレ的な甲斐甲斐しく世話してくれるできた妹、
という印象だった小鞠がここで一気に輝き始めます。

体をぶっ壊しつつ戦う兄に対して、心配で声を荒げたりしつつも
本当に兄の幸せを願って最後まで寄り添うことを決断する小鞠。

これが……愛かっ!!

撫子ルートも佳境。
ロミジュリ構図なら社会によって二人は引き裂かれるのが道理と言うもの。

でもここで二人が語るのは愛ではなく刃道。
あくまで刃道バカ 剣士であることをえらび、一時別の道を歩むことを決意します。


そして、このルートのラスボスは貴方だったか。。。

ちょくちょく出てきますが、この人も演武士だったことを半ば忘れていました。

マジで、なんで勝てたんでしょうね。。僕はもう負けイベントだと思ってました。。

ここからクライマックスの撫子戦まで、主人公視点ではなくなります。

この演出はドラマチックで好きでしたね。
主人公と自分を重ねがちなギャルゲーとしてはあんまり見ない手法な気がしますが、
その分撫子に感情移入しながら、主人公を恋焦がれる気持ちが溜まっていきます。

で、ついにそろうのは最終決戦。
待ちに待った、撫子との約束の戦いです。

正直、もう主人公に勝機ないだろってレベルで撫子が強くなってる印象でしたが
そこは主人公補正もあり、撫子とがつがつ打ち合っていきますね。

そこで、また光るのが小鞠です。
「楽になるにはまだ早いぜ!」って言葉がすんなり出てくるのはマジですごい子です。
本当に、兄想いで芯が強い。この子も武士ですよ。

もう、僕が一馬なら抱きしめてます。
撫子は好きだが小鞠は愛って感じ。

その後、一馬も小鞠に「愛してるぜ」と言って戦いの場に戻っていったので
完全にプレイヤーである僕と主人公一馬の気持ちが一致する名シーンでした。

プレイ後アンケートの「一番印象に残ったシーン」にも
僕はこのシーンを選んでます

ただ、愛の言葉を伝えて戦いの場に行くのは死亡フラグなんですよ

撫子編なのに小鞠の株がガリガリ上がっていきますが
撫子については、もう主人公との関係性が完成されすぎてて何も言うことないんですよね。

可愛さとかかなぐり捨てて技名叫んで戦うところとかも
剣士同士だからこそすべてをさらけ出せる二人の関係性を感じさせてくれるし

それでいて楽しそうな二人はもう、何も言うことは無いですね。
これだからスポ根ものは面白いんですよ!!


で、試合の後は知らない天井で目覚める一馬。

記憶も抜け落ちてるみたいでこのまま第二のスタート始まるかと思ったら
案外さっくり記憶も取り戻して、半年ぶりの再開と言うのに割とライトに扱ってくる仲間たち。

そしてそのままエンディング。

パルヴィ編もでしたが、少しエピローグがあっさりしてる感じは今回のかけはなの共通点っぽいですね。

……FD商法ですか??

ということで、撫子編はメインヒロインと言うこともあり
刃道を前面に推しつつ、ロミジュリ構成のシンプルなシナリオで
世界観の良さやキャラの良さが出やすくて面白いシナリオだったと思います。

ただ、小鞠の株が上がりすぎる。
これは最後の小鞠編への期待値が嫌でも上がってしまう。

個別ルート③:小鞠編

小鞠が芯の強い子で、どれだけ兄の事が好きかは
別世界線で理解してきてからの小鞠編です。

もう何も言うまい。

ということで、
いままでさんざん介添人として兄を支えてきた小鞠が、このルートでは自分の夢を見つけてそこに向かって頑張りたい、と言い出す展開です。

「うん、お兄ちゃん応援しちゃうからね!」

というのはふざけ過ぎかもしれませんが、
ここまでのルートでたくさん支えてくれたので、自然と応援したいという気持ちになります。

うん。完全に制作者の思惑通りに進めていますね……

好きなキャラであるクロメも結構シナリオに関わってきそうでワクワクしますね。
このままこの3人で仲良くやってくれたらいいのになー

っていうのは完全にフラグですよね。。。。

妹キャラは好きな気持ちを抑制されていた分、結ばれた後に積極的に鳴りがちですが
例にもれず、小鞠ちゃんも結構積極的ですね。

小鞠は剣士じゃないので、相がかり稽古も行わないので
結構刃道というより日常のイチャイチャ多めな感じでシナリオが進みましたが

おー、ついに来ましたね。
撫子編ではいい様に当て馬にされた九曜でしたが、このシナリオは活躍しそうな匂いがします。

九曜にいい様に踊らされてクロメとも関係性が悪化していきます。
つらいですね。仲良く3人で過ごすのが夢だったのに。

その後もクロメとはいい試合をするものの、
胸糞展開が続きます。

ほんとにただただ九曜が悪役ムーブしかしないので
もう愛想が完全に尽きてしまいます。

もしかしたら何か事情があるだけの良い奴なのかも、みたいな希望は完全になくなりました。

最終決戦で九曜と戦い、いろいろ過去も明らかになっていきます。
そして、一馬に敗れ何かに気づいたような様子もありました。

でも、小鞠の作品破り去ったお前は決して許せないからな。同情の余地も無い。

ということで、悪の親玉を倒して二人が自由になるという
ある意味で物語の始まりを解決するわかりやすいエンドではありましたが
結局小鞠の破かれた作品に対するフォローは無かったし、主人公が憂さ晴らしに暴れまわったら結果的に問題も解決しただけ、と言うような終わり方に感じてしまいました。

でも、まあエピローグで小鞠が幸せそうだったので良しとしましょう。

あらためて全体の感想

最初に書いた通り、
キャラも世界観も良くて、テンポも良いので面白かったです。

だかろこそ、ところどころ微妙に感じてしまう部分が惜しくて気になっちゃうかもしれないです。

今回はKATANAシリーズの世界観はそのまま、今まで話題に出るだけだった「プロ刃道」の話を描く
というテーマで、プロらしくルールやレギュレーションに縛られたり、お金の話なども出てきました

ただ、プロと言う設定にしたことで
すべての競技者のレベルが1段上に上がってしまったので、各選手の”隙”を描くことが難しくなったのかもしれないです。

前作の「めく色」とかの学園編にあったような、
何かを会得したり弱点を克服して成長していくような描写はほとんど描かれず、
「とにかく練習してたら成長していました」みたいな展開なので、スポ根ものとしては減点対称な気がします。
だいたい撫子とパルヴィの「吸収力」という単語にすべてを任せていた気がします……

と、ネタバレ含む感想としてネガティブな話をしてしまいましたが
やっぱり、魅力的なキャラクターと刃道にのめりこむ青春感、そして天呪もからめたちょっとファンタジー要素ありなバトル展開。
思わず1日くらいで全部読み切ってしまう位には楽しめた作品でした。

しかし、やっぱりサブキャラ(主に初乃とクロメ)が魅力的な割には、
主人公との絡みが全然薄かったので
確実にFDまで視野に入れた作りになっている気がします。。。
エピローグが妙にあっさりしてるのもそのあたりはあるかも。。。

うーん、ずるい!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA