FenderSuperSonic 212Combo レビュー

2chの幅広い音作りが可能なFenderアンプ。

CleanはVibrolux®/Bassman®の2種類が選択でき、
VibroluxはFenderらしいきらびやかなクリーン、
Bassmanは中低域の太さを感じつつ、Volを上げると少しファジーに歪んでくれる。
ただし、MasterVolが無いので基本的に爆音。Cleanで少しサチュレーションを感じたいなら現行の20Wモデルのほうが扱いやすいだろう。

DriveChとなるBurnは、かつてのMesa MARKシリーズを彷彿させる2GAIN仕様。
GAIN1は歪みと音量が大きく変化し、GAIN2は比較的小さな変化なので
GAIN1で基本的な歪み量を設定しつつ、サウンドキャラクターとサチュレーション感の調整としてGAIN2を使うイメージ。
最終段にマスターボリュームもついているので、
メタルのような密度の高いハイゲインサウンドにするには、アンプ前段でのブーストとEQでの調整が必要と思われるが
一般的なロックの範疇であれば、小音量でも十分な歪みを得ることが出来る。

内蔵のスプリングリバーブとアンプのチャンネルは、付属の専用フットスイッチで操作可能。

ここまでの各コントロールや機能については、現行モデル大きな差異は無いが
旧モデルにおける大きな差となるのが、最大出力とスピーカー。

60Wの本モデルは、CelestionVintage30を搭載している。
※現行の20WモデルはEmineceに仕様変更されている。

現行のAmericanVintageシリーズのFenderアンプはJensenやEminenceを使用しているモデルも多く
Celestion系を使用しているのはVintageModifyやHotorod系。
Fender以外だと、MESAや、Marshall/OrangeなどのブリティッシュアンプがCelestionを使うことが多い。

この流れを考えると
Vintage30を搭載したSuperSonicは”Fenderらしさ”を少し排除したアンプに感じられるが
CleanChには「Vibrolux®/Bassman®」と、モデル名を銘打つレベルでFenderサウンドを主張してくる。

つまりこのアンプは
CleanではFenderらしいサウンド、BurnChでは少しFenderらしさを排除したサウンドを出す様なコンセプトを
本体の仕様からも感じることが出来る。

その印象はおおむね合っていて、出音を聞いた上での感想としても
オープンバックタイプで1スピーカーであることからか、クリーンやクランチで非常に素直な出音をしている点はFenderらしさを感じるが
2段のGAINによって複雑にサチュレーションされたBurnChは、アメリカンなカラッとしたサウンドでありつつも扱いやすいサウンドになっていると思う。

語弊を恐れずにあえて言うなら
CleanはFender,BurnはMESA に近い印象。

Fenderらしいサウンドが欲しければ、CleanChにエフェクターの歪みを合わせる使い方
Fenderらしさが邪魔になるなら、BurnChに切り替えて演奏
という使いわけが出来るので、曲やジャンルの対応の幅が広い扱いやすいアンプと言える。

また、SENDRETURNも個別Vol付きで搭載しているので
他エフェクターとの組み合わせもし易い仕様になっている点もアンプ全体としての扱いやすさに寄与している。

出力も60Wで十分あるため、生ドラムに負けることは無くバンドでの利用であればボリュームをMAXまで上げることはほぼないだろう。

音量、音質共に重低音を求めるメタルやハードロックテイストな現代アニソン・JPOPなどには向かないものの、
扱いやすいクリーンとドライブサウンドは、それ以外の多くのジャンル・現場で活躍できるアンプだろう。

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