ML Sound Lab “MIKKO” というキャビネットシミュレータ を買ってみた

割と新しめのプラグインメーカーだと思いますが
ML Sound Labの”MIKKO”というキャビネットシミュを買ってみました。

ML Sound Labといえば、

 

今年の春ごろに、無料のアンプシミュでやばい奴が出たぞと一瞬話題になったメーカーですね。
こちらのAmpedもフリーの5150系のアンプシミュでは抜きん出ていい音だと思います。

そのAmpedよりも前にリリースされてたのに、僕がノーチェックだったキャビネットシミュのプラグインが
今回買ってみた「MIKKO」ですね。

ML Sound Labは、とりあえずDEMO版として
機能制限版を無料で配る方針らしく、MIKKOについても
いくつか機能制限された状態のものが無料配布されていますので
興味がある方はとりあえずインストールしてみるのが良さそうです。

機能制限といっても、ポストエフェクトとIR書き出しが出来ないだけで
キャビシミュの根幹部分は、ほぼ自由に操作できたので
ぶっちゃけ、無料版でも十分なくらいでしたw

ただ、無料版に入っているのはメサのキャビのみとなっており
僕としては、今オレンジ系のキャビのIRデータを持っておらず
それを買うか迷っていたところだったこともあり、MIKKOのORNGモデルを単体購入してみました。

ブラックフライデー的なやつで半額€19,99、日本円で約2500円程度で購入できました。

 

まず、触ってみた雑感

おそらくIRデータを基にしてミックスしていくタイプのシミュレータではなく、内部アルゴリズムでシミュレートするタイプと思われる。
マイクを複数本立てられるが、マイクが複数立っているという感じというよりかは、複数立っているマイクをミックスしたときの雰囲気がそのまま一発で出ている感じ(認知バイアスもあるかも)

 

使用するIRデータにもよるが、IRデータを使用した場合は、比較的パリッとしたオンマイクっぽい音が出る印象を個人的にもっているのだけど、MIKKOはどちらかというと腰を据えたというかずっしりしたサウンドが出るような印象を受けた。
語弊を恐れない言い方をすると、
少しもっさり、ぬるっとしているイメージ。(悪い意味ではなく、そういう傾向ということ)

AmplitubeとかHelixとかの、扱いやすいキャビシミュという感じ。
IRみたいな扱いづらさはないけど、その扱いづらさが生々しさにつながったりするのでそのあたりで好みが分かれそう。

設定次第でかなり調整幅はあるし、好み次第だとは思うけど
個人的には、クランチ~クリーンで使うよりも
US系のハイゲインアンプのような、重厚なサウンドに向いているような気がした。

MIKKOの特徴

  • スピーカーに対してマイク9本までを3Dに配置可能
    • 3D:距離と角度の極座標系+スピーカーとの距離
    • それぞれ位相を90,180,270度にずらせる
  • ポストエフェクトとして箱鳴り感の調整とハイローパスフィルタが設定可能
  • 設定した情報すべてを反映したIRデータを生成可能
  • スタンドアロン機能アリ

キャビシミュもいろいろ増えてきましたが
IRデータの生成可能は中々面白い機能だと思います。

プラグインのキャビシミュと言うとTwo note の Wall of sound なんかが有名ですが
スピーカーに対するマイクの配置などは、概ね同じような操作感で設定可能だと思います。

逆に気を付けるべき、MIKKOでできないことについてですが

  • 同時に鳴らせるキャビ(スピーカー)は1種類のみ
    • できた。マイクとスピーカーの組み合わせ合わせて9つまで
  • 部屋鳴りなど、ルームマイクはなし
  • その他エフェクト(リバーブなど)なし

というような感触で
完全にキャビネットへのマイキングに全振りしたようなプラグインとなっています。

個人的には部屋鳴りはキャビシミュで作るよりも、他の楽器と合わせてリバーブで調整したほうがなじみが良い気がするので、あまり気にならないですが、
スタンドアロンがあるので、これ単体でキャビシミュとしてリアルタイムで鳴らそうという人は気を付けたほうが良さそうです。

 

ということで、以降は機能ごとにざっくりと紹介していこうかなと思います。

IRデータ生成という機能について

これがなかなか面白い機能だと思う。

このMIKKOで書きだせるIRデータというのは
マイク複数本立ててミックスした状態+ポストエフェクトとして箱鳴り感(レゾナンスとプレゼンスの調整)とハイローパスそれぞれをした状態でのサウンドがIRデータとして出力されるので、

通常のIRデータを組み合わせた際に必須で行うだろう微調整をした状態のサウンドが1ファイルで出る、というメリットがあります。

あとは、一般的なIRデータはマイク1本に対し1データなので、
複数本のマイクを立てるときは、IRローダー内で複数ファイルを読み込み、バランスをとる必要があるが
MIKKOで複数マイク立てた状態で1ファイル作ってしまえば、バランスも保存した「プリセットファイル」のような感覚でIRデータが作成できる。

ただまぁ、本当にマイク複数本立ってる場合は、ダイナミクスによっても音質が複合的に変化しそうですが
IRデータ1つとなっているのでそのあたりはたぶんざっくりとしているような気がします。

実機のシミュレートとしてではなくて、
自分好みのキャビネットシミュデータを作りこむ感覚でマイクを立てたり動かしたりするのが良いと思います。

そういう意味では、キャビネットシミュと言うよりかは
キャビネットモデラ―と呼ぶのが良いのかもしれない。。

また、大抵のIRローダーは、
一度に読み込めるIRデータは2~3種類程度だと思います。

DAW上のプラグインならたくさん入れればいいけど、
ハードウェアタイプのIRローダーや、マルチエフェクターだとそうもいかない。。

そこで、MIKKOで複数マイクをシミュレートしたIRデータを複数キャビモデルで作っておけば
複数マイク×2種類キャビ というサウンドが1つのIRデータで再現可能になりますね。

そういう意味では、
Kemper、Helix・HXStomp、GT-1000、GE250
といったIR読み込み可能なマルチエフェクターを持っている人にとって、IRデータを単体で買う以外の面白い選択肢になると思う。

ML Sound Labも公式で推奨していますしね!

 

負荷とレイテンシについて

StudioOneで動かしてみました。
私の環境は Corei7-7700k,16GBと言ったところですが
ほぼ気にならないレベルのCPU負荷のようです。ただし、レイテンシが4.4msと少し他のプラグインより大き目。
マイクの本数で負荷やレイテンシはあまり変わらない模様。
#StudioOneの標準マルチバンドコンプとかでも2msなので、そこそこ。。。

なので、レイテンシを気にする人は
音を作りこんだうえでIRデータ書きだしてあげると、
別途IRローダーで処理した場合はレイテンシが0.1msとかになります。

その他UIとか使いやすさとか

マイクとスピーカーの選択はまぁ普通にリストから選択したりでいたって普通なんですが
後ろのスピーカーの画像も、マイクの①②③も何も変化しないので、少し寂しい。
スピーカーのロゴくらいは変わってくれると、今使ってるキャビモデルがどれなのかすぐわかって便利な気がするんだけどな。。。

マイクの位置は、画像の①②③みたいなやつをマウスでそのまま動かすこともできるし、
左のつまみで調整することもできます。
距離だけは、DISTANCEのつまみで操作しかできないみたい。

右のスペクトラムアナライザ的なのは、リアルタイムで出音を反映してくれて面白い。
意図的にどこかに山とか谷とか作って、その位置をずらしてやることで
複数ギターの音の分離を良くするとかも考慮できるかも。

IMPEDANCE+CUTってところはポストエフェクト。
「TONE」でモデルを選んだ状態で
LORES,HIRESを操作すると低域と高域のキャラクタが変わる。
#僕はTONEをOFFのまま動かして「あれー?かわんないなー?」と迷ってました。。。

下のLOCUT,HICUTは普通にローハイパスフィルターなので、不要ならかけておくと後段でEQの手間が減ります。
ライブ向けのIRデータを作るならバッサリローカットしておくと良いかも。

あと、プリセット登録は簡単にできるんだけど
削除のやり方が分かりません。誰か教えて。

 

まとめと改めて感想とか

サウンドの傾向的には、もっさりというか圧とか厚を感じるので
メタルとかジェントとかそういう雰囲気が合いそうです。
というかML Sound Lab全体的にそっちに寄ってる気がする
(アプリ内のMIKKOのロゴとかもがっつりメサ意識してるしね。)

マイク種類やレゾナンスの調整とかもあるので、調整次第では普通にさっぱりしたジャンルでも行けるかも。

キャビシミュの有名どころのWall of soundとかは
パワーアンプのシミュレートや、ルームマイクのシミュレートも入ってて、リバーブエフェクトも入ってたはずなので
そういうのと比べちゃうと機能不足な感じもしますが

ルームマイクって結局扱いづらいし、リバーブと合わせて外部エフェクトでやっちゃうのが良いと思うので
単純なキャビシミュとしては十二分な機能を持っていると思います。

なにより、IRデータ出力機能のおかげで
作りこんだサウンドを手軽に持ち歩けるというのは1つのメリットになる人も多いかもしれない。

あと、ブラックフライデーセール中なので、今ならキャビ単体でも2500円、
9種類入りのまとめセットだと8000円くらいで9種類揃うので、
なんとなく、たくさんIRデータ買いあさるより安上がりかなとも思う。
よくわからんIRデータかってハズレ弾くよりは有効。

9種類セットを買って、いろいろ使ってみて気に入ったキャビの音色があれば
他のメーカーの同じキャビのサウンドを買って比べてみるとかね。

DTMオンリーの人に「これさえあればOK!」という勧め方はしないけど、
IRデータを活用できる他の機材と組み合わせることにメリットが感じられるならお勧めできる。

もちろん、キャビシミュとしても十分なクオリティではあるので、普通に出音が気に入ったなら買うのはアリだと思います!

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