#BOSS 製品ニュースその①
コンパクト・サイズなのにGT-1000と同等のサウンド・メイクができるエフェクト・プロセッサー!発売は2020年10月24日を予定!
【製品ニュース】BOSS GT-1000CORE
https://t.co/iCDkrgy5Jy— デジマート・マガジン (@DgmMag) October 1, 2020
ついに出てしまいましたね。BOSSのマルチストンプ。
敵意むき出しすぎだろ pic.twitter.com/JOuCOs2X31
— Magenta (@magenta2294) October 1, 2020
どう見ても対抗心というか競合製品ですね。
価格帯もほぼ一緒ということで、今後はこの2台で迷うことが多そうです。
というか俺も迷いたかった!!
ということで、現状分かるスペックベースで
HXstompと比べてGT-1000Coreってどうなのよって言うのを確認してみます。
ひとまず乱暴な結論
コンパクトな一台で音作り完結させたいなら迷わずGT-1000Coreを買え。
エフェクターの普通じゃない使い方を探求する変態プレイヤーは、HXならではの機能とかもいくつかあるので、よくよく考えてHXstompが必要か検討すると良いと思うよ。
ぶっちゃけ、音のクオリティについては今やハイエンドのデジタルマルチはもう好みの差としか言えない域だし
とやかくいうほどの耳も持ってないので、機能性に絞ってバリバリ比較していくよ!
HXStomp単体のレビューのようなものは以前しているので
HXStompのほうが気になる人はそちらの記事も見てみると良いと思います
エフェクト使用数が違う!
2つのプリアンプを含む24のエフェクト・ブロックを同時に使用可能。複数のシリーズ/パラレル・チェーンを活用することで無限に広がるサウンド・メイク
というのがGT-1000Core(以下GT)の商品紹介文です。
一方、HXstomp(以下HX)については、同時使用は基本的に6つです。ファームウェアアップデートにより同時使用は8つ(ただしDSP使用率によっては使えるエフェクトが限られる)
差、デカくね?
ステレオやモノラルの扱いは、詳しく書かれていないので
もしかしたら24というのはすべてモノラルエフェクトの場合かもですが
それにしても差がでかい。。
あと、複数のパラレルチェーンとざっくり書いてありますが、
合計で4つのパラレルチェーンが作れるような描写がPV内でありました。
つまりパラレルで作った2系統のサウンドをさらにセクションごとに切り替えて使える……!
SENDRETURNの数について
筐体を見てわかる通り
GTは2系統のSENDRETURNを持っていて、HXは1系統のSENDRETURNしかないです
というのは実は勘違いです。
なぜなら、HXのSENDRETURNはステレオなので2ch分の信号が扱えます。
エフェクトブロックもLとRと分けて使用できるようになっているので実質2系統あります。
ただ、Y字の分配ケーブルが必要になるので
普通に使う分にはGTのほうが使いやすいですし、2系統もSENDRETURNでブロック使ったらHXはほとんどエフェクター使えないので、厳しいと思います。
外部コントロール端子の数について
GTはTRSジャックのEXP端子が2つ、HXは一つなので
エクスプレッションペダルなら1つ
単純なラッチ式のスイッチなら2個分の差があります。
ただ、GTのやべぇところは
CTR4,5端子を、本体の操作用スイッチではなくアンプのコントロールスイッチとしても使えるようにしてあるところです
つまり、GTのフットスイッチやパッチ切り替えで、アンプのチャンネルも操作できるんです
これ、欲しかったんだよなぁ。。。
だからHeadrushのGigboardとHXで最後まで悩んでたんだよ。。。
GTにはその他便利機能モリモリ
STOMPBOX機能
特定のエフェクターのつまみの設定をパッチ間で共有する機能。
パッチが幾つかある場合とか、ライブ当日に変更するとなると全部のパッチの同じエフェクターのつまみを直すの大変なんだよね。。。
→HXStompもファームウェアアップデートにより、Favoriteペダル機能として実装されました!
OUTPUTSELECT機能
著名なアンプのインプット・Return端子それぞれに対して
ライン出力と変わらない音が出るように調整されたプリセットEQのようなものが実装されてる。
JC-120はもちろん、ツインリバーブやAc30,JCM200、レクチとホットロッドまである。
もちろんBOSSのWAZAシリーズも完備。
環境の変化へ素早く対応できるので超実戦的だと思う。
ポリフォニックチューナー
サラッと書いてあるけど、これ多弦同時チューニングできるやつね。
Polytuneで有名なやつ。
ライブとかだと便利なんだよな―使ったことないけど。
と、まぁ
さすが後発製品だけあって
「あー!それ欲しかった!」って感じの機能がきっちり入ってますね。
というか、プロセッサーやメモリなどの処理能力の部分はホントにGT-1000と同じなのかもしれないこれ。
HXはアルゴリズムは同じだけど、処理能力はHelixのほうが上という立ち位置だ。
普通にギタリストが使う分には間違いなくGT-1000Coreのほうが便利だし、使いやすくて満足できると思う。
というか俺もGT-1000買ってたと思う。
アンプのコントロールができるのが決め手すぎる。
ただ、同価格帯でバトルしに来ただけあって、
HXstompでしか出来ないことって言うのもなんだかんだあるので
必ずしもGT-1000Coreを誰にでもおススメ、とは言えないかもしれない。
ということで、ここからはHXstompを持ち上げるような内容を紹介する。
SENDRETURNをSENDとRETURN別々に使う
???ってなった人も居ると思います
GT側のSENDRETURN端子は
外部エフェクターを1ブロックとして使うことを想定しているため
SENDとRETURNの間に別のエフェクトをパラレルでかける、といった使い方ができないようです。
(説明書を読む限りでは。)
一方HXは、SENDRETURNとは別に
SENDブロックとRETURNブロックがあり、エフェクトチェーンの任意の位置にSENDとRETURNを配置できます。
図式すると
GTの場合、パラレルミックスかシリーズかは選べますが
input →(内蔵エフェクト)→SEND/RETURN→(内蔵エフェクト)→OUTPUT
というルートのみになるのに対して
HXの場合
input→input →(内蔵エフェクト)→SEND→(内蔵エフェクト)→RETURN→(内蔵エフェクト)→OUTPUT
というように、パラレルの場合のドライ音側にもエフェクトがはさめてしまいますw
位相の問題などもあるので、一概に良い機能だ!とは言えないですが
音作りの探求心はくすぐられますよね。
USBオーディオインターフェースとしての機能
GTはPCで録音できる系統は
OUTPUT、SUBOUT、Dryの3系統、それぞれステレオだそうです。
SUBOUTはSEND端子をSUBOUTモードとして使用している場合のみ使えるとのことなので、SENDRETURNに別のエフェクトをつないで使いたい場合は実質OUTPUTとDRYの2系統での録音が可能です。
(SUBOUTモード時はRETURN端子はAUXINとなって、OUTPUTに直接MIXされるとのこと)
また、出力は言及されていないので、OUTPUTへのPC側のサウンドのミックスの1系統のみとなるようです。
まぁ、ぶっちゃけ普通にレコーディングするならこれだけあれば十分ですよね。
一方で、HXstompはかなり変態な仕様です。
Input端子とRETURN端子のそれぞれに入力されたDry信号は個別で録音可能、
もちろん、エフェクトがかかったOUTPUT信号も録音可能、
かつ、パラレルルーティングした場合は内部的にさらにもう1系統録音可能
PC側から見ると、4系統の入力が常に行える状態です。。
さらに、PCのサウンドの出力も
OUTPUT端子へのMIXとSEND端子へのMIX
さらには、HXstomp自体の入力をPCの音声出力に切り替える、ことも出来る……?
何を言っているか分からなくなってきたので、出来ることを比べてみましょう
ドライ音とエフェクト音の同時録音:両方できる
ドライ音とチェーン途中のエフェクト音、最終的なエフェクト音を同時録音:両方できる
(ドライ音とプリアンプのみ通したDI的な音、キャビネットも通した出音の3通り、みたいな使い方)
内蔵アンプモデルでのリアンプ:HXのみ可能
(PCのドライ音にエフェクトをかけて再録音)
外部機材へのリアンプ:HXのみ可能
(SENDとRETURNに外部機材をつなぐことで実質可能)
そう、GTのオーディオインターフェース機能はあくまで
GTを使ったレコーディングのためにあるものという位置づけですが
HXの場合は使い方次第で4in4outのオーディオインターフェースかつ、
インピーダンスマッチング可能なリアンプボックス
アナログ機材へのリアンプ可能なリアンプボックスとして使用可能!
※Line6側は詳細な仕様が開示されていないので、出力インピーダンスについて調整しているか不明だったので記載修正。
SEND端子のOUTPUTモード切替がINST/LINEとあるけどアウトプットレベルの調整のみかも……。
やっぱりLine6は頭おかしいです。こんな機能をコンパクトエフェクターに持たせるなんて。
誰が使うんだよw
スナップショット機能
これはHelixとかHXの目玉機能だ。
エフェクターのモデルは変えずに、パラメータの変化とスイッチのONOFFについては64か所まで音切れナシで切り替えられるという素敵機能。
ちなみにGTには似たような機能は特になくて
高性能カスタムDSPチップによる、超高速パッチ・チェンジと ディレイのキャリーオーバー機能
とだけ書いてあるので、音切れが起こるのはまぁ止む無しってスタンスみたい。
とはいえ、パッチチェンジも今やかなり高速なので
正しいタイミングで行えば全然ライブの支障にはならないと思うし
ディレイやリバーブの音は残るように設定できるので、それも組み合わせると音切れを感じさせるようなことはなかなかないかもしれない。
でもゼロではない。そこに無音の区間は在るんだ。
こういう実用上問題ない部分に無駄なこだわりを発揮するのがLine6。
というか妥協がねぇ。
PC連携について
どちらもパッチの編集はPCの専用ソフトで行えるみたい。
というかあんなちっちゃい画面と少ないコントロールで音作りなんてしたくない。
USB端子はGTはマイクロBだからちょっと強度が心配とかそういうことはひとまず置いておいて
HXの利点は、HelixNativeという存在にある。
Helixをプラグイン化したソフトがHelixNativeで、HXユーザーなら1万で買い足せる。(通常4万)
これを使うと、アルゴリズムや搭載エフェクト自体は共通なので
DAW上での音作りとHX本体の音作りが共有できる。
ガンガンライブやるだけの人はあまり恩恵がないと思うけど、
DTMやってるギタリストには地味に心強い機能だ。
もちろん、エフェクト数の違いとかは考慮したうえでパッチを作る必要はあるんだけど。
USBインターフェースの件といい、
HXはギタリスト向けというよりも、クリエイター向けな気がしてきた。
バランス出力の有無
GTは実は、インプットジャックとアウトプットジャックはTS端子だ。
#説明書に明記されていないがたぶんSENDRETURNも。
唯一、OUTPUTLだけはTRS端子なのだが、それはヘッドホン端子を兼用しているから。
基本的にはアンバランス出力のみで、出力レベルについては明確に言及されていないが、
OUTPUTモードの選択時に暗黙的に行われているものと思われる。
一方でHXについては
OUTPUT端子はバランス出力可能なTRS
SEND端子とOUTPUT端子それぞれを設定で明示的にLINE/INSTの設定が出来るので、レベルやインピーダンスの調整が個別で行える。
あと、HXのヘッドホン端子はOUTPUT端子とは別に用意されていて、
OUTPUTのボリュームとは独立した音量設定も実は設定次第で可能だったりする。
バランス出力こそ正義!とは言わないけれど
ライブでライン出力する場合には基本的にはステージからPA卓まではXLRのバランス接続になるので
ライブでライン出力の使用を検討しているなら、バランス出力ができることで箱のDIなど不確定要素を省くことができるメリットが生まれる。
とはいえ、些細な問題だけどね。
後単純にヘッドホン端子が別にあると
ボード内でジャンクションボックスとか使ってる場合には抜き差ししなくて済むので便利だと思う。
まぁ、そのためにGTのほうも
モノラル用のOUTPUT/Rと別の端子をヘッドホン共用に設定しているんだと思うけど
最後に電源についても言及しておこうと思う。
どちらも9Vセンターマイナスのアダプターだが
内径2.5mmなので、普通のコンパクトエフェクター用の内径2.1mmのコネクタより少しだけ中の穴が大きいタイプだ。
消費電力も1Aは最低で必要そうなので、ボードに組み込む場合は工夫が必要だ。
GTは公称650mA、
HXは公表していないが、500mAでは起動せず、1Aで起動するのでおおむねおなじくらいだと思われる。
ちなみに、HXStompには電源スイッチがあるので
配線はそのままにした状態で電源OFF出来るので、宅録ユーザーは嬉しい仕様なのかもしれない。
ということで、
僕がGT-1000Coreのスペックを確認したかったので、
ついでにブログ記事として文章に残してみただけなので、ところどころ文章がおかしいところもありそうだけど。
ひとまず、主要な機能だったりそれぞれの特徴については何となく把握できてきた。
GT-1000Coreを一言でまとめると
ギタリストが必要な機能を必要十分詰め込んだ、オールインワンなギター用マルチエフェクター
といったところだろうか。ボードの補強としても使えるとは言っているが
BOSSが「これをメインに据えてボードを作れ」と言っているように僕には思えた。
それこそ、GT-1000を小さくしただけという言い方ができると思う。
一方で、比べてみることで
明らかにHXStompが中々に尖ったプロダクトであることが分かった。
GT-1000Coreと対比させるなら
HXStompはジョーカー。ギタリストのボードの補強からクリエイティブな作業まであらゆるタイミングでギタリストの役に立つマルチエフェクター
だと思う。Line6のMシリーズの流れも汲んでるので、
ギター用エフェクターの枠だけにはめて考える製品ではないのかもしれない。
ということで、比べてみるとなんだかんだで一長一短かなとは思いますが
やっぱりアンプコントロールができるのはめちゃくちゃデカいので
ギタリストが買うなら僕はGT-1000Coreをお勧めしますね。
HXStompからわざわざ乗り換えるほどの製品ではなさそうなので一安心だ。