ちょっと無料でどこまでできるの?
っていうのが気になったので、お試ししてみる記事。
Macだと「Garageband」っていう心強い見方が居てなにもしなくていいので
今回はWindowsでやってみるよ。
1.DAWをインストールしよう!
DAWというのは、
・音声ファイルの録音・編集
・楽譜データの編集(MIDIデータ編集)
・楽譜データの再生(ソフトウェア音源の読み込み)
・サウンドエフェクト・音量・パン調整(いわゆるミックス)
の4つができる、作編曲向けのソフトを指します。
(もちろんもっと機能はあるけど、基本機能としての4つを例示)
今回インストールするのは「Calkwalk by Bandlab」(以降Cakewalk)
https://www.bandlab.com/products/cakewalk?lang=ja
今、無料のDAWといったら、間違いなくこのCakewalkが筆頭に上がると思います。
細かい経緯を端折ると
昔有料だったDAWソフトを、ソフトごと買い取って無償化しちゃった
という感じなので、無料にしてはかなり高機能です。
(ただし、設計思想が古くてちょっと重いのと音質も悪いらしい)
(–ここから与太話–)
Cakewalkの元ソフトはSONARと言って、有名どころのCubaseとかとシェアを争うDAWソフトの一つだったよ!
僕自身も、むかーしオーディオインターフェースについてきてたので使ってたことがある。
ギター始めたての頃にかなりお世話になったソフトではあるので、個人的にも思い入れはあるが……いかんせん起動が遅いし動作が重かった記憶。。。
(–ここまで与太話–)
インストールの細かい手順はここでは紹介しないけれど、
アドオンインストールの項目にある「Melodyne」は30日しか使えないデモ版なので、
チェックを外しておいて良いと思います。
起動するとオーディオのセットアップの画面が出てくるので
使いたいデバイスを選択します。
とりあえずオーディオインターフェース持ってないなら録音しないだろうし
入力デバイスはなんでもいいんですが、
出力デバイスはきちんと選ばないと音が出ません。
デバイス名を見て、それっぽいやつを判断しなきゃなんですが、
同じデバイス名で最後の数字が違うものが複数ある場合は「1/2」と書かれてるやつを選ぶと良いです。
複数アウトプットがある場合に、「1/2」とか「3/4」とか表示されるんですが
基本的に普段使うアウトプット端子って「1/2」なので、変なセッティングにしてなければ「1/2」で音が出ると思います。
ワークスペースはよくわからないのでBasicを選んでおきましょう。
後で変えられます。
アクティベートがうまくいかない場合は
「ヘルプ」→「Bandlabへサインイン」
でやり直せますし、ソフト自体を再起動すると改めてサインインを促されます。
2.プロジェクトを作成しよう!
PC関連でよく使われる言い回しなのですが
何かを作ったり編集したりする際に
複数のファイルを組み合わせて一つの作品にする場合
その作品を構成する要素をまとめて「プロジェクト」って呼んだりします。
音楽の場合、
音声データや楽譜データ、そしてそれらの編集状態を保存するパラメータを全てひっくるめて「プロジェクト」と呼んでいます。
プロジェクトファイルとは、そのプロジェクトの情報を記録したファイルを指すことが多いです。
要するに
Cakewalkでの編集内容を保存したファイル≒プロジェクトファイル
です。
普通に自分だけで作ってる場合は意識不要ですが
プロジェクトファイル自体は音声データでも楽譜データでもないです。
プロジェクトファイルは作成したソフトでのみ開くことができます。
ということはなんとなく覚えておくと良いと思います。
というわけで、Cakewalkを無事に起動できると
スタート画面が表示されますね。
用途に応じてある程度組み立てられたテンプレートも用意されていますが、
とりあえず「Basic」で起動してみますか。
プラグインをロードするか聞かれたら
とりあえず「すべてはい」を選択しておきます。
しばらくしても何も出てこなかったら、表示の問題の可能性もあるので
右上の「Basic」って書いてあるプルダウンメニューからもう一度Basicを選択し直してみてください。
ここがワークスペースの設定になるので、Basicを選択し直すことで
再度Basicのワークスペースが読み込まれます。
※ワークスペースとは、各機能の画面内の配置をプリセット化したもののことのようです
なんか作曲家っぽい画面出てきましたね。
左の「Audio」とか「MIDI」って書いてある枠は
Excelみたいに境界線をドラッグ&ドロップすると、行の高さを変えられます。
「Audio」はその名の通り音声データを扱うトラックで
「MIDI」は楽譜データ(MIDIデータ)を扱うトラックになります。
楽譜データと音声データは全く異なるデータなので
相互変換は基本的にできないものと思ってください。
3.楽器を読み込んでみよう!
右上にある「ブラウザ」の項目のタブでプラグのアイコンが表示されている「Plugins」を選択して、
その下のピアノの鍵盤っぽいアイコンを選択すると、Instrumentsと表示されます。
これが、楽譜データを再生する楽器を選択する画面です。
とりあえずPianoのフォルダに入っているSI-ElectricPianoというのをダブルクリックしてみます。
オプションの画面が出てくるので、特に設定変更せずにOKを押してしまいます。
真ん中のトラックリストのところに「SI-Electric Piano」が追加されました!
追加された行の右側の何もない空間をダブルクリックします。
すると、画面の下半分にこれもまた作曲者のパソコンとかでよくみるピアノの鍵盤のある画面が出てきます。
これは「ピアノロール」と呼ばれることが多い画面です。
左のピアノの鍵盤と、その右に続く表の行は音程が一致していて、
横軸は時間軸になります。
デフォルト設定は4拍子なので、4マスで一区切りになっているのがわかると思います。
このマス目に沿って、必要な音程を入力していくことで
オタマジャクシの楽譜が読めなくても、コンピュータ向けの楽譜データ(MIDIデータ)を作成できます。
左のピアノ鍵盤の部分をクリックすると、
クリックした鍵盤の音程が再生されるので、それも参考にしながらなんかいい感じに楽譜を書いてみましょう。
再生されない場合は、オーディオデバイス設定が正しく設定されていないかもしれないので
「編集」→「環境設定」から出力オーディオ設定を見直しましょう。
ちなみに、DTM界隈だと
こうしたMIDIデータの作成作業のことを「打ち込み」と呼ぶことが多いです。
ということで実際に「打ち込み」してみます。
はい。かえるのうたの冒頭です。
気づいてると思いますが、
画面上部に巻き戻しとか再生っぽいボタンがあります。
編集しているとカーソルは変なところに行っちゃうので
とりあえず、巻き戻しボタンのしたの黒い頭出しボタンを押してから再生してみましょう。
……なんかリズム感がない。
よくみると、マス目から微妙にズレた音符があります。
その場合は、再生ボタンの左の方にマウスカーソルをはじめとしたいくつかのアイコンがありますが
そのうちの「Select」を選択してから
ドラッグ&ドロップで打ち込んだ音符を全部囲んで、範囲選択しましょう。
選択した状態で「プロセス」→「クオンタイズ」を選択すると
クオンタイズの設定画面が出てくるので、とりあえず何も変えずに「OK」を押します。
すると、
全ての音符が自動で近くのマス目に微調整されます。
ということで、”クオンタイズ”とは、自動タイミング調整機能のことでした。
うまくマス目にスナップできてれば不要な操作ですが、なんかズレた時のために覚えておくと良いです。
4.音量・音質を調整(ミックス)しよう!
楽譜データも作れたし、それを自動で演奏してくれるようになった!
ということで、音楽制作までのステップは残り1つです。
音量・音質の調整、つまりミックス作業です!
画面最下部に「コンソール」というタブがあるのでクリックしてみましょう。
なにやらメカメカしい画面が出てきました。
音楽やってる人なら多分見た目でピンとくると思いますが
これは、複数の音声を混ぜ合わせる際に使う機材、「ミキシングコンソール(ミキサー)」の操作盤ですね。
この画面で、各楽器、音声ファイルの音量やパン(左右)、エフェクトを調整することになります。
縦にいくつか分割されていて、一番下にトラック名が書いてありますね。
そのトラック名の上部の、動かせそうなスライダーが音量(フェーダー)です。
音量の上の回せそうなツマミがパン、つまり左右バランスの調整です。
もうちょっと上を見ると「FX」って書いてある部分がありますね。
ここがエフェクターを入れる部分で、ここにエフェクターを読み込むことで
そのトラックにのみサウンド効果が得られます。
今回は、ただピアノが再生されるだけだとつまらないので、
反響音を追加すべく、リバーブをかけてみましょう。
Fxの脇にある「+」ボタンからエフェクトを追加します。
「オーディオFXの挿入」→「Reverb」→「Breverb 2 Cakewalk」を選択します。
またなんか変な画面出てきた……という感じですが
これがリバーブの設定を編集するがめんになります。
とりあえず、設定の話はいつか別にするとして、
今回は設定を変えずにそのまま再生してみます。
……なんか誰もいない体育館で演奏したみたいな響きが加わりましたね。
(よく、お風呂で歌った時の〜みたいな例えが使われるけど、個人的にはあんまりお風呂って綺麗な反響しないよねって思う」
エフェクトをいれたので、再びコンソール画面に戻ってきました。
再生してみると、音量フェーダーの脇のメーターが動いているのがわかると思います。
これは音量を視覚的に表示してくれているメーターです。
Electric Pianoのトラックの他にも、右の方の「Master」ってトラックも何故か音量が出ていますね。
「Master」というのは最終出力のことです。
各トラックの音量やパンを調整した結果、全ての音は一旦マスタートラックにまとめられた上で
スピーカーやヘッドホンなどから再生されることになります。
ちなみに、マスタートラックにもFxのブロックがありますね。
全てまとめてから全体にエフェクトをかける、なんてこともできるので
いろんな楽器を打ち込んでみたら、試してみると良いかもしれません。
さて、その音量メーターの話に戻りますが、
横にメモリがふってあって「−3,−6,-9,-12」と書いてあります。
これは、最大音量からのマイナス量を表しています。
パソコンで音楽をやる場合、最大音量を超えてしまうと音割れが発生してしまいます。
なので、常に最大音量を超えないように気をつけながら作業をする必要があります。
今回は楽器が1つで、
音量のフェーダーも0から動かしていないので
ピアノのトラックの音量=マスタートラックの音量
になっています。
たくさん楽器がふえると、全部の音を足し算していくことになるので
各楽器の音は−12とか−24とかまで下げる必要がある場合も出てきます。
そうした調整を重ねて、聞きやすくしていく作業を「ミックス」と呼びます。
5.作った曲を保存しよう
大切なことを言うのを忘れていました。
保存はこまめにしましょう。
WindowsならCtr+Sのショートカットコマンドで上書き保存ができます。
このコマンドや「ファイル」→「名前をつけて保存」
で保存されるファイルは、基本的には初めの方に言った「プロジェクトファイル」です。
このファイルを友達に送りつけても再生できません。
ということで、再生できる形式で保存する方法も覚えておきましょう。
再生できる形式に保存する、というのは
マスタートラックで再生されている音声データをそのまま保存すると言うことになります。
そうして保存されたデータは1つの音声データとなるため、
再編集することはできません。
曲を作ったり編集したりする作業データを保存する=プロジェクトファイルの保存
作った曲を完成品として、編集不可なデータとして保存する=音声データの保存(書き出し)
となります。
書き出しは
「ファイル」→「エクスポート」→「オーディオ」
から行えます。
こんな感じの画面が出てきます。
気にするべき部分は
ファイル名と場所:保存したい場所を指定します。
ファイルタイプ:音質重視ならwave、ファイルサイズ小さくするならmp3が一般的です。
レンジ:とりあえずプロジェクト全体を選んでおくと、全部が保存されます。保存範囲を限定するなら事前に選択しておく必要がある。
の2項目が基本ですかね。
そのほかはちゃんとオーディオデータに詳しくならないとよくわからないと思います。
「エクスポート」ボタンを押すと書き出しが実行され、
終わると右下の方にメッセージが出てきます。
メッセージをクリックすると、保存フォルダが開けるので
エラーがないか聞いて確認しておくと良いと思います。
まとめ
基本的にDTMにおける、作編曲作業というのは
・音声ファイルの録音・編集
・楽譜データの編集(MIDIデータ編集)
・楽譜データの再生(ソフトウェア音源の読み込み)
・サウンドエフェクト・音量・パン調整(いわゆるミックス)
この4つの繰り返し。
なので、今回紹介した基本操作ができれば
とりあえず、打ち込みのみでの作編曲を始めることができると思います。
好きな楽器を選んでさらに追加していったり、
それぞれのパートの音量を調節していくと、曲ができます。
というわけで、次回は今回触れなかった
「録音」にフォーカスをあてて記事を書ければいいなと思います。
(次回はオーディオインターフェースが必要)