@20201105

不定期とは言ったが、間が空くとは言っていないので
まだ頭の中に残っている何かあるうちに書き残しておく。

前回は割と音楽の話によっていったので
今回はエロゲーとかそっち系な話題に振ってみようと思う。

なんだかんだ言って僕が一番影響を受けた作品は
OVERDRIVEさんの「キラ☆キラ」だと思ってるし
その後の「DEARDROPS」なんかも多大な影響を受けている。
(僕のギターの心の師匠は弥生さんだといい続けてます)

そんなOVERDRIVEさんの最終作として
満を持して発表されたのが「MUSICUS!」

DEARDROPS以来のバンドものの作品ということでワクワクしていたんですが、
正直僕には刺さらなかった。という話をしながら僕が何を考えているのか書きだしてみたいと思う。

刺さらなかった、というだけで
内容的には面白かったし、音楽をやりたいと思っている人としても、いろいろと感じたり考えたりする部分もあった。

個人的にMUSICUSに対してとても印象に残っているのが
「ロックとは何か、音楽とは何のためにあるのか」という議論と「花井是清の影」の2つ。

前者の議論は主人公が探すというのもテーマの一つな気がするけど、それを言語化して考える、つまりプレイヤーに考えさせる部分が非常に多い印象だった。
そのうえで、明確な答えを提示しなかった。
いや、していたのかもしれないが少なくとも僕には届いていなかったというべきかもしれない。

そしてもう一つの「花井是清の影」
物語全編にわたって影を落とす花井是清という大きな存在。
上手く物事が進んでいるように見えているときでも、どこかで主人公は悩んでいたような気がする。

この二つの大きな要素が絡み合うことと、
インディーズバンドという現実的に描写してしまうと泥臭い設定が合わさり
シナリオ全体にどこかもやがかかるような感覚があった。
そこが独特な雰囲気を醸し出していたので、そうした空気感自体を魅力に感じる人にはこのゲームが刺さったのかもしれない。

ただ、僕の場合の「刺さる」ということを考えてみると、
割と大衆の一般論と変わらない感覚で、
やはりシンプルなテーマを力強く押し出されると非常に印象に残る、つまり「刺さった」状態になるんだと思う。

つまり、僕に刺さるような物語の制作プロセスを考えてみると
テーマを伝えきるための大きなファンタジー部分を作った上で、テーマ以外の余計な情報をそぎ落とし、テーマ自体に現実味を持たせられる程度の現実味を加える
みたいな作り方が良いのかもしれない。

物語における現実味なんていうのは、テーマとなりうる大きな嘘を受け入れやすく、そして鮮やかにするためのスパイスでしかないというところ。

そうした点で見てみると
フィクションでありつつも妙に現実味を帯びた世界観で語られるMUSICUSは、情報量が僕のキャパシティを超えていたのかもしれない。

プレイしてみてあらためて、MUSICUSは俗にいう商業作品ではないということを実感させられた。
作る人が作りたいものを提示して、クラウドファンディングでやりたい人がお金を出して、集まったお金で作るからこそできる作品。
売れ線やお客さんに受け入れられるかを意識から追いやり、純粋に作りたいものを作ったんだろうなと思った。

そうした、情熱であったりメッセージ性のようなものは少なからず受け取ったし、物語としても読み応えがあり面白い作品だったと思う。

ただただ、伝えたい内容が濃密になりすぎたおかげで
時間をかけて理解しようとした人間にしか伝わりきらないような情報量を持った作品になってしまい
そして、僕はそうした必須の情報量が多いタイプのコンテンツが苦手だったというだけの話だったのだ。

考え込みやすい性格ではあるが、
なるべくシンプルな考えで生きたいという僕の目標と真逆の方向性だった、ということなのかもしれない。

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